shotover jet

ショットオーバー川



秋のクィーンズタウンは本当にきれい。
湖畔をぐるりと囲む木々がすべてまっ黄色に色づいて、キラキラと輝かしい姿を
見せてくれる。
クィーンズタウンに暮らして7回目の秋を迎えたけれど、毎年見てもまったく
飽きることがない。それどころか、今年の黄葉は一段とキレイな気さえする。
赤、黄色が例年に比べ、とても鮮やかだ。秋色の町並みに、
ところどころ常緑樹の緑が顔を出し、まるで絵の具のパレットのようににぎやかだ。

今年は一風変わった黄葉鑑賞を企画してみた。
日本では体験することのできない?豪華黄葉狩りプラン!
カワラウジェットに乗ってジェットボートからの黄葉鑑賞だ!

今日の写真はすべて Kawarau Jet<カワラウ ジェット>より
写真提供です。


街

カワラウジェット桟橋に集合






当日、市内中心部のカワラウジェット桟橋でチェックイン。
救命胴衣、水しぶきよけのカッパを着込み、いざ準備は万端!
この日のために用意した一眼レフカメラを大切に小脇に抱え、
ワクワクとジェットボートに乗り込む。
全員が乗り込んだところで、ゆっくりとジェットボートは桟橋を離れ、
いよいよワカティプ湖へと走り出す。
クィーンズタウンの町並みがまだすぐ近くに見える桟橋から少しだけ離れたところで、
一旦停止。出発前の安全案内だ。
 “ウェルカム オンボード。マイネーム イズ ジム、キャプテン ジム!”
(僕の船へようこそ。僕はジム、船長のジムです!)

 ドライバーが私たちの方を振り返り、陽気に話しだす。
彼の笑顔と大げさなジェスチャーが、私たちの緊張を解きほぐし、
自然とこちらまで笑顔になってしまう。

“君はどこから来たの?”
“オーストラリアさ!こんなに近い国なのに雰囲気がまったく違って驚いているよ。”
“インドです。でも、私の息子はオークランドに住んでいるのよ。”
“イギリスから。娘夫婦に会いに。”
そして、私たちの順番に。
大きな声で“ジャパーン!”と答える私たちに、
ドライバーが大げさに驚いたようなおどけた表情を見せる。

 陽気な笑い声に包まれながら、いざボートはワカティプ湖へ出発だ。
ビュンビュンと気持ちのよい風をきりながら、ボートはどんどん進んでいく。
桟橋から離れるにしたがって、湖の青がどんどん深くなる。
サザンアルプスの山々が近づいてくる。
カラダ全身で感じる秋風がとても気持ちいい!
両手はしっかりと手すりにつかまりながら、目はこの美しい景色を
一秒たりとも見逃すまい!と瞬きも最小限にココロのアルバムに風景をどんどんと刻み込む。


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サザンアルプスの山々




湖沿いのポプラが空に向かってまっすぐに伸びる姿は見ていても気持ちがいい。
空の青、湖の深い青にキラキラと輝く黄金のポプラ並木がとても美しい。
秋風にゆっくりと舞い落ちるポプラの葉っぱもクルクルと湖に
舞い落ちる金色の紙ふぶきみたいでなんだかゴージャスな気分になれる。



柳


黄金色の柳





 ジェットボートはどんどん進み、橋の下を通り抜け、カワラウ川へと向かっていく。
橋の下がちょっぴり急流になっている部分を大型ボートで勢いよく走り抜ける。
ボートが多少バウンドするのも冒険気分でおもしろい。
バウンバウンとボートが上下したのも束の間、
気がつくとなんともきれいなカワラウ川の風景が目の前に広がっていた。
すごい!これは、まさに映画の1シーンのよう!!



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カワラウ川に反射する柳風景 




なんとも言えない青緑色の流れがとても神秘的!
水深数メートルはあると思われるのに、底が透き通って見えるほどの澄んだ水、
両岸にびっしりと並んだ黄金色の柳の木、
それぞれが空の青にはっきりと美しいコントラストを描いている。
しかも、カワラウ川のやさしい青緑色の流れに黄金の木々が鏡のように反射して、
思わずため息が出るような美しさ。
この景色はここでしか見ることができないのかもしれないと思うと、
さらに感動が高まってくる。
撮っても撮っても、まだまだいい写真、
さらにいい景色が登場するかもしれないと思うとカメラのシャッターを
押す手も止まらない。



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カワラウ川にびっしりと並ぶ黄金柳






ジェットボートは少し進むごとに360度スピンを入れて私たちを盛り上げる。
気持ちよい水しぶきをあげて、ジェットボートが豪快に回転する。
私たちの大歓声がカワラウ川に響き渡る。



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 360度スピン






ジム船長の軽快なトークも止まらない。
目の前に広がる山、川、木々の自然の話、映画撮影にまつわる話、
クィーンズタウンの紹介等を英語のわからない?私たちのために大きな身振り、
手ぶりも交えながら話してくれる。
私たちを楽しませることを彼自身が楽しんでいるようだ。



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カワラウ川を疾走するカワラウジェット
(黄色いボートと黄色い柳がぴったり!)





ジェットボートでの豪華黄葉鑑賞も後半に入り、
ボートはさらに軽快にカワラウ川を走りぬける。
そして、秘密の黄葉スポットとも言えるだろう黄色のトンネルへと入っていく。
美しいカワラウ川の流れが狭くなった部分に両岸から生えている柳の枝が
大きく広がり、まさに柳のトンネルになっている。
それが、黄色に輝いているんだからなんともおもしろい。
ジェットボートから空を仰いでみると、まずは黄色の柳トンネル、
そのすきまに青空が顔を出している。
これも思わず、芸術的!とシャッターを勢いよく押し続ける。




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黄色のトンネル






1時間のジェットボート体験は笑いと感動の連続であっというまに終わってしまった。
笑顔でジム船長に見送られながら、桟橋を後にする。写真の完成が楽しみだな。
あれだけ撮ったんだから、一枚くらいは超芸術的な作品があるに違いない・・・
と願いつつ、ちょっぴり豪華な黄葉鑑賞の余韻にひたるのだった。